あたしと同じように腕を摩擦しながら入ってきたのは、


リョウくんだった。



「…あっ、ちわっす!サボりっすか!?」


陽気なリョウくん。


…あたしはあんたのノリに乗って

先生に告って、

今フラれたってゆーのに。


事実を知らない後輩は怖いね。


…って、八つ当たりしたくなる。



「うん。リョウくんも?」


リョウくんが座る席を確保するために、

あたしは起き上がって長椅子の半分を空けた。