「……寒っ」 冬じゃないのに、 風が強くて少し身震いした。 腕を摩擦しながら、 1個だけある古いベンチに腰を下ろした。 なんか体勢が悪くて、そのベンチの上で横になった。 秋空、というか ビミョウに悪い天気。 晴れてもなければ、暗くもない。 ―あたしの心と同じだった。 授業開始のチャイムが鳴ったのと同時に、 屋上の扉が開いた。 「っ、さみー!てか風強ぇっ」