「泣いとけ」 実感湧かないから、泣けない。 そのくせに、さっきの場面が頭の中で何回も何回も繰り返される。 「キス、してた」 頭をくしゃくしゃと掻く。 超スッキリしない。 「よーちゃんと、あの女…――」 「咲帆っ!」 よーちゃんは、あたしを追って運動場に走ってきた。 涙、出てなくてよかった。 今泣いてたら重い女だと思われる。