「先輩…それが……――」




“担当が、カワセ先生なんすよ。”




リョウくんはバツが悪そうに耳元で言った。



「え……川瀬、先生?」


そういえば前、一緒に電車乗ってたとき

そんなこと言ってたかも。



「えっ。ど、どーしよ。あたし嫌なんだけど」

「大丈夫っす。俺も補習っすから!」


爽やかに親指を立てるリョウくん。



あのね、リョウくんとあたしは学年が違うから、

担当の先生が違うんだよ?


あたしは大きく溜め息を吐いた。