「なんだかわかる?

これで、すべてを見ていた。

ずっと前からね。」


「な、何ですって?」


「ハハっ、世の中には

知らないことが沢山あるんだよ」


そこまで言った時

私は思わず彼の頬を

思い切り平手打ちした。


「訴えてやるっ!」

彼はベッドに弾かれ

頬を押さえて笑った。


「無理だよ。

もう証拠は俺の手の中。

しかも、この件は俺が

仕組んだことじゃない。

プロの集団が

金を貰ってやってるんだ。

ヘタはうたないよ。

俺なんか下っ端の下っ端さ

訴えても意味がないよ」