中に入ると

上野さんが出迎えてくれた。


「ようこそ!

今日は二度目ですね。」


葵は厨房にいるのか見当たらず

知らない中年の男が

タバコをふかして座っていた。


凛に気づいて話しかけた。


「凛さんですね?

叶野です。葵の父です。」


凛は慌てて頭を下げた。


「島本です。

この子は聖哉といいます。」


聖哉もぺコンとお辞儀をした。


その時葵がキッチンから出てきた。


「あ!お兄ちゃんだ!

コックさんの格好してる!」


聖哉がはしゃいで飛びついた。

「聖哉、よく来たな!

大きくなったな~。」


と、嬉しそうに抱きしめた。


その姿を叶野も目を細めて

嬉しそうに見ていた。