定休日で客のいない店内は

午後の日差しが差し込んで

薄いオレンジの壁を照らす。

イタリアの絵が何枚か飾ってある

この前は、全体を見る余裕が

なかったけれど・・・


その時、奥から先日の人が

優しい笑顔で出てきた。


「すみません。

お待たせして・・・

オフなのでこんな格好で。

何かお飲みになりますか?」


「はい。

でも、お構いなく。

今日は取材を受けて下さり

感謝してます。

シェフにお会いできるのでしょうか?」


「今、少し遅れると連絡がありまして

10分ほどお待ちいただけますか?

それまでは私がお相手しましょう。

ハーブティーでもいかがですか?」


「ありがとうございます。じゃ、

その間に建物の

写真を撮らせてもらいますね?」


凛は外へ出てまずは外観から

ル・ラゴンを撮り始めた。