こうして、美恵子との

お別れは終わった。


美恵子の亡骸は

少し季節外れの向日葵と共に

秋のうろこ雲のかなたへ

溶けていった。


みんなで美恵子が消えていく

秋空をいつまでも見送っていた。


それは限りなく青く、蒼く・・・


美恵子の言葉が甦った。


「赤ちゃんは何かを運んできて

くれるかもしれない。

でも、何かを失うかもしれない。

それは誰にもわからない・・」


陽南子の運んできたものは・・・?


そして、失ったものは・・・?



美恵子にはわかっていたのだろうか?


自分がもう長くはない事を・・・


まるでその生まれ変わりのように

陽南子が光の腕に抱かれて

穏やかな笑みを浮かべ

心地良さそうに眠っていた。