実麗は嬉しくなって

ちょっとはみかみながら

光の腕に自分の腕を絡めた。


彼もそっと実麗を見下ろした。


二人の目が合った。

こうしてちゃんと

お互いの顔を見るのは

何度目だろう?


いつも目を逸らして

意地ばかり張ってきた。


こんなに優しい笑顔で

見つめあう日が来るなんて・・・


実麗は絡めた腕にぎゅっと

力を込めた。


この気持ちを伝えるように。


その時だった。


ホームの柱の影から

誰かがゆっくりと静かに

こちらに向かって歩いてきた。


同時に電車が滑り込み

人の波が押し寄せてくる。