まだ少年だった光が

たった一度のキスを

ずっと忘れずに

自分を追い求めてくれていた

事が嬉しかった。


東京で失いかけていた

純粋な心を

光が・・・

そして、このお腹の子が

思い出させてくれた。


いつか見た空港の夢は

この結末を暗示していたのかも

しれない。


心配していた両親も

光君と一緒に帰る事を

喜んでくれた。


彼と挨拶に行く事になっている。

一人で逃げ出した故郷に

今は二人、いや三人で帰るのだ。


これからは

ずっと一緒に里帰りができる。


久しぶりに還る私達を

海はどんな顔で

迎えてくれるのだろう・・・?