そうして、二人は

成田空港に向かった。


苗場を見送るためだ。


思いのほか早く決着が

ついたので夜発つ予定が

午前の便になったと聞いた。

亜美も来てくれるはずだ。


成田は人が行きかう場所。

いろんな思いを乗せて

飛行機が飛び立つ。


本当なら苗場と一緒に

国際便に乗るはずだった。

人の人生はわからない。


いつか見た夢は苗場と

旅立つことだった。

他の道は考えていなかった。

つい何日か前までは・・・


でも、今は隣に光がいる。

とても不思議な気がした。


発着ロビーで苗場と亜美を探した。