朦朧とする意識の中 頭上から 優しい声がした。 『大丈夫ですか?』 身体が思うように 動かず、声の する方へ視線を向けた。 心配そうに顔を 覗き込み声を掛けたのが鏡花だった。 まるで聖女のように 可憐で透き通る 肌が百合のようだ。 瞳は薄い茶色がかって いて吸い込まれる くらい美しいかった。 けど、俺は 鏡花を無視して 立ち上がろうとした。