死んでも、いい…
こんな苦しい日々なら
そう思う程だった。



「よう、赤馬!」


突然、肩を叩かれ
我に返る俺の背後に
いたのは、ダチの焔(ホムラ)だった。



「何か暗いな
どうしたんだよ?
もしかして、鏡花(キョウカ)と何かあったとか?」


「ちげーよ
考え事して歩いてたから
だよ。」



一瞬、焔の表情が
曇ったような気がした。



だけど俺は
この時そう感じた
だけで、気のせい
なんだと思っていた。