蝶々結び

「こんばんはー!」


玄関のドアを開ける音がしたのと同時に、ガヤガヤと声が聞こえた。


「誰か来たみたいだね」


祖父母を見ると、二人は顔を見合わせて笑った。


あたしが小首を傾げた直後、数人の人達が部屋の中に入って来た。


「勝手に邪魔したで〜!なっちゃんと七星ちゃんに、会いに来たんや」


そう言って入って来たのは、近所の人達だった。


「あっ、こんばんは!」


あたしは慌てて立ち上がって、頭を下げた。


「おぉ〜、七星ちゃん!久しぶりやなぁ!何か、大きくなったんちゃうか?」


「お久しぶりです。そんな事ないですよ」


後から入って来る人達にも、順番に挨拶をした。


最後に入って来たのは、お隣りの光子(ミツコ)おばあちゃん。


あたしが生まれた頃からずっと、すごくお世話になっている人だ。