蝶々結び

昼食を終えたあたし達は、少しだけ休憩をしてからサービスエリアを出た。


「後1時間くらいだからね!」


「うん!」


小さく笑って頷いた後、また携帯が鳴った。





《今終わったよぉ☆
これからバイトだよ♪
行ってきます》





カラフルなメールに笑みを零しながら、すぐに返事をした。





《お疲れ様♪
バイト頑張ってね!》





「もうすぐ着くわよ!」


「あっ、高速降りたんだ……」


弾んだ声で言われて窓の外を見ると、見覚えのある風景が広がっていた。


緑に囲まれた田舎町らしい景色に、心が和(ナゴ)む。


高速を降りたら、祖父母の家まではあっという間に着く。


「七星、見えたよ」


母の声で視線を前に遣ると、祖父母の家が見えた。