蝶々結び

高速に乗ってから2時間くらいが経った頃、母が小さなため息をついた。


「ちょっと休憩するわよ……」


「うん」


家を出てから、もう3時間以上は運転している。


さすがに疲れてるだろうな……


あたしはそんな事を考えながら、母の横顔を見た。


「大丈夫よ。ちょっとお茶するだけだからね!」


「うん!」


あたしが心配している事を感じ取ったらしく、母が前を向いたまま笑った。


その様子にホッとしていると、母は一番近くのサービスエリアに車を停め、ついでに早めの昼食を摂る事にした。


「あたし、買って来るよ。お母さんは座ってて」


「じゃあ、ラーメンね」


笑顔で頷いて、食堂のカウンターに行った。


それから二人分の食券を買い、カウンターでラーメンを受け取って母が待つテーブルに戻った。