蝶々結び

「話って何ですか?」


何の話なのかわからないままのあたしは、生徒会室に入るとすぐに尋ねた。


今日は、優子と駅まで一緒に帰りたかったのにな……


夏休みも会えないから、少しだけ残念だった。


「ごめん、ないんだ……」


「は……?」


意味がわからなくて、思わず変な声を出してしまった。


「だから……話なんてないんだ……」


「じゃあ、どうしてあたしを呼んだんですか?」


この人の行動が、よくわからない。


ため息をつくと、上杉先生が口を開いた。


「……あのままだと、俺はあそこから抜けられねぇじゃん?だから、須藤に助けて貰おうと……」


「はぁっ!?」


何であたしにまで被害がっ!?


関係ないのに……


「ごめんっ!!」


上杉先生は、顔の前で両手を合わせて頭を下げた。