蝶々結び

「じゃあ、解散〜!夏休みを満喫しろよー♪」


上杉先生がそう言って、一学期最後のHRが終わった。


「りょーちゃん、夏休みに遊ぼうよっ♪」


先生は早速、クラスの女子達に足止めされている。


「無理無理〜!俺は実家に帰るんです!その前に、りょーちゃんって呼ぶな!」


「えぇーっ!!じゃあ、上杉先生♪夏休みは遊んでね!」


「無理だっつーの!田舎にも行くからな〜!」


上杉先生は小さく笑って、周りに群がる生徒達から離れた。


「須藤!」


「はい?」


不意に上杉先生に呼び止められて、あたしは小首を傾げながら振り返った。


「もう帰る?」


「あっ、はい」


「話があるから、ちょっと生徒会室まで来てくれるか?」


不思議に思いながらも小さく頷いて、上杉先生と一緒に生徒会室に向かった。