蝶々結び

「あぁ、“仲良しの友達”の事か?」


「はい……」


「白田優子だよ!最近ずっと仲イイだろ?」


上杉先生が優子との事を知っていてくれた事には驚いたけど、それ以上に嬉しくて笑顔で頷いた。


先生はあたしを見て笑うと、次の子に通知表を渡した。


「七星、どうだった?」


あたしの元に来た優子が、眉を下げながら訊いた。


「イイ感じだったよ」


「イイな〜!あたしなんて、追試と補習だよ!」


膨れっ面の優子が、あたしをじっと見た。


「まぁまぁ……」


苦笑しながら宥めようとすると、彼女の表情が明るくなった。


「でもイイんだっ♪」


「どうして?」


「だって……上杉先生に会えるかもしれないもん♪」


優子ははにかむように笑って、声を潜めて答えた。