蝶々結び

「初めてなの?」


「うん……」


あたしは俯きながら、小さな声で返事をした。


引かれちゃったよね……


急に不安になって、逃げ出したくなったけど…


「じゃあ、あたしが教えてあげるね!勉強はダメだけど、プリの事なら任せて♪」


優子は得意気な顔で言って、フワリと笑った。


「うん!」


優子の優しさと、彼女とプリクラを撮れる事が嬉しくて、自然と笑みが零れる。


「これ、可愛いんだよ♪携帯にも画像送れちゃうし!」


「そんなのあるの!?」


「うん♪ほら、こっち!」


優子は、あたしの手を引きながらカーテンの中に入った。


「フレーム、どれがイイ?」


「どれでも……」


「ダメ!一緒に選ぶの♪」


優子に促されて、画面を覗き込みながら背景を選んだ。