蝶々結び

「じゃあ、今からプリ撮りに行こー♪」


優子はそう言って、勢いよく立ち上がった。


「え?プリクラ……?」


「うん!行こっ♪」


優子に引っ張られて立ち上がったあたしは、会計を済ませてから外に出た。


「駅前にゲーセンあるよね?」


「うん……」


あたしは優子と手を繋いだまま、ゲームセンターに向かった。


「七星、どれがイイ?」


彼女はゲームセンターの中に入ると、楽しそうにプリクラ機を物色し始めた。


「どれでも……。あたし、よくわかんないし……」


「えっ!?」


戸惑いながら答えると、優子が目を見開いた。


「撮った事……なくて……」


この年になって、プリクラを撮った事が無いなんて…


『友達がいません』って言っているみたいで、すごく恥ずかしくなった。