蝶々結び

結局、あたしはカルボナーラを注文した。


「パスタが好きなの?」


「うん、カルボナーラが一番好きかな♪優子は何が好き?」


「う〜ん……。あたしは、チョコレートかな♪」


「それ、お菓子だよ!」


「だって好きなんだもん!」


あたし達は、他愛のない会話をしながらご飯を食べた。


中学の時には、たまに友達と遊んだりした事はあったけど…


高校に入ってからは、初めての経験だった。


同年代の子達には、きっと普通の事だと思う。


だけど、あたしにとってはすごく新鮮で、ワクワクしていた。


優子と話す事が楽しい。


彼女の事を知れて嬉しい。


こんなに気兼ね無く話せる友達なんて、きっと初めて…。


いつも周りを気にしていたから、前の自分(アタシ)ならこんな風に楽しむなんて有り得なかった。