蝶々結び

あたし達は、駅前にあるファミレスに入った。


「七星、何食べる!?」


「う〜ん……。パスタ系かな……」


メニューを見ながら迷っていると、優子が笑顔で口を開いた。


「あたしはグラタンにするね♪七星、決まった?」


「もうちょっと待って……」


あたしは、まだメニューを決められずにいた。


「七星って優柔不断?」


そう訊かれて、あたしの体がビクッと強張った。


どうしよう……


嫌な思いさせたかな……


「ごめんね……」


「え?別に怒ってないよ?」


恐る恐る優子を見ると、彼女は疑問形で言いながら頬杖を付いて、あたしを下から見た。


女同士なのに、優子の上目遣いにドキッとしてしまう。


「本当に……?」


あたしは、ドキドキしながら小さな声で尋ねた。