蝶々結び

さっさと会計を済ませてくれた上杉先生に甘えて、あたしと創太はご馳走して貰った。


「良兄、サンキュー♪」


「ご馳走様です」


「これくらいイイって」


創太とあたしが言うと、上杉先生がフッと笑った。


「創太も送って行くから、一緒に車に乗れよ」


「俺、バイト先行くからええわ。その代わり、またどっか連れて行ってや!」


「おう♪」


笑顔で頷いた上杉先生に促されて、あたしは助手席に乗り込む。


運転席に座った先生は、エンジンを掛けてから窓を開けた。


「落ち着いたら遊びに来いよ!」


「おう!てか、まだ良兄んとこ行ってへんし、絶対行くわ!」


「そういえばそうだな……。まぁ近いうちに来いよ。じゃあな」


「あっ、良兄!」


上杉先生が車を出そうとした時、創太が呼び止めた。