蝶々結び

「お前、さっき俺に対してこんな感じだったんだぜ?」


「違いますっ!!」


「いーや、俺はモノマネ上手いもんね」


「似てませんっ!!」


今にも怒りが爆発しそうな気持ちを抑えて、必死に否定していると…


「ブッ……!」


不意に上杉先生が吹き出し、肩を震わせながら笑い出した。


何なのよっ……!


怒鳴りたい気持ちになりながらも、一先ず深呼吸をする。


「今度は何ですか?」


出来るだけ落ち着いてから、ゆっくりと尋ねた。


「前にも言っただろ?」


「はい?」


「その方がイイ、って!」


その言葉で、スーパーで上杉先生と会った時にもそう言ってくれた事を思い出した。


「思い出したか?」


「あ、はい……」


あたしは気が抜けて、ヘナヘナと椅子に座った。