蝶々結び

翌日は、祖父母の家でのんびり過ごした。


この時期の畑仕事は、すごく大変なハズだけど…


祖父母と母だけが畑に行き、あたしにはゆっくり過ごすように言ってくれた祖父母に甘える事にして、一人で家に残った。


こんな田舎にいたって、何もする事なんて無いけど…


畑仕事をするような服も持って来ていないから、手伝うのも気が引けた。


「さすがにこの格好じゃね……」


優子に見立てて貰うとスカートやワンピースばかりになって、気が付けばあたしの服装は随分と女の子らしくなっていた。


前は、ラフな格好ばっかりだったのにね……


そんな自分を懐かしく思いながら、縁側に腰掛ける。


夏とは違って、さすがに寒い。


それでも、縁側から見る庭の風景に、少しだけホッとした。


この日は結局、一日中何もしないまま終えてしまった。