蝶々結び

「ごめん……。あたし、そろそろ行かなきゃ……」


「あっ、そっか!生徒会だったよね!ごめんね……」


「ううん……。じゃあ……」


「うん、またねっ♪」


あたしは、優子に手を振ってから教室を後にした。


それから胸をホッと撫で下ろし、生徒会室に向かった。


「こんにちはー」


挨拶をしながら生徒会室のドアを開けると、そこにいるハズの無い人がいた。


「おっ、須藤が一番か!」


「上杉先生……。こんな所で何してるんですか?」


あたしは、ため息混じりに訊いた。


せっかく、優子の話から解放されたばかりなのに……


どうして今、この人に会わなくちゃいけないの……?


あたしって、タイミングが悪いのかな……


上杉先生は悪くないけど、この憂鬱な気分を先生にぶつけたくなってしまった。