蝶々結び

昼前に沖縄に着き、予め決められていた店で昼食を済ませてから平和記念館に向かった。


「七星、気分悪くない？」


「うん、ちょっと……。飛行機のせいだね」


あたし達は、空港に着いた時から耳が痛くて気分が悪かった。


だけど、時間に余裕が無いせいですぐに昼食を摂ったから、更に気分が悪くなってしまったんだ…。


「てか、バスも最悪だったね……」


「優子、大丈夫？」


「ダメかも……」


顔色の悪い優子を気遣いながら、バスガイドに誘導されて平和記念館を見学したけど…


結局、館内にいるのが辛そうな彼女と一緒に、一足先に外に出た。


あたし達は近くにあったベンチに腰掛けて過ごし、集合時間に合わせてバスに戻った。


バスに揺られてホテルに着いた頃、すっかり元気になった優子にはいつもの可愛らしい笑顔が戻っていた。