蝶々結び

空港に着いてから飛行機に乗るまでは、本当にあっという間だった。


何しろハードなプランだから、全てにおいて余裕が無い。


「本当にハードプランだね……」


そう呟いた優子に、コクコクと頷いた。


「飛行機初めてなんだけど……。何か気持ち悪い……」


憂鬱な気分が晴れないあたしは、飛行機に乗るのが初めてだと言う事もあってなのか、離陸前から気分が悪かった。


「大丈夫?」


「うん、たぶん……。でも、墜ちたりしないかな……?」


「ちょっと!あたしも飛行機は初めてなんだから、縁起でもない事言わないで!」


不謹慎かもしれないけど…


涙目でそう言った優子を見て、少しだけリラックス出来た。


「そろそろ離陸かな?」


あたしが呟いた後、すぐに機内に離陸のアナウンスが流れて、飛行機がゆっくりと動き出した。