蝶々結び

「大丈夫だよ♪」


「う〜ん……」


少しだけ不安になっているあたしは、眉を小さく寄せた。


「フフッ♪七星、変な顔になってるよ!」


「あっ、ごめん!」


「七星は、話を聞いてくれるだけで充分だよ!」


「そっか……。うん、わかった!」


少しだけホッとしたあたしから、笑顔が零れる。


「あっ!情報ゲットしたら教えてねっ♪」


「うん!……って、誰の?」


ここまで話して、肝心の相手を聞いていない事に気付いた。


たぶんあたしも知ってる人だと思うから、同じ学校の人かな……


「えっとね……」


「ん?」


優子は少しだけ悩んだ後、頬を赤らめて口を開いた。


「上杉センセー……なのだ♪」


おどけた言い方をした彼女の笑顔を見て、あたしの胸がチクッと痛んだ。