蝶々結び

優子はパッと笑顔になって、あたしの手をギュッと握った。


「ありがとーっ!!あたし、誰にも相談出来なくて……。この事、七星しか知らないからね?」


「そうなんだ……」


たくさんの友達の中で、自分(アタシ)だけに言ってくれたんだ……


優子があたしに相談してくれた事が、何だか誇らしく思えた。


「七星を頼りにしてるから♪」


「でも……あたしじゃ、何もアドバイス出来ないと思うけど……?」


「どうして?」


「だって、あたし……恋愛経験ないから……」


その言葉通り、あたしには恋愛経験が無い。


今まで誰かを本気で好きになった事も、付き合った事も一度も無い。


一度だけ告白された事はあるけど、乗り気にはなれなかったし…


どうして自分(アタシ)なのかがわからなくて、結局は付き合ったりも出来なかった。