蝶々結び

教室に入ると、皆の反応は予想通りだった。


一瞬で注目を浴び、あちこちから非難の声が飛んで来た。


「やっぱり、噂って本当だったんじゃん?」


「須藤さん、退学とか?」


「優等生だと思ってたのに……」


「うんうん、須藤さんもやるよね〜!」


「どっちが言い寄ったんだろ?先生が騙されただけとか!?」


煩い……


何も知らないくせに、勝手な事ばっかり言わないでよ……


あたしは心の中で悪態をつきながら、荷物を纏めた。


「大人しそうな振りして……」


「荷物纏めてるから、とりあえず謹慎でしょ?」


非難の声を背中に受けながら、教室から出ようとした時…


「須藤さーん!上杉先生と付き合ってるってマジ!?」


一人の男子がからかうような口調で言って、あたしを見下すように笑った。