蝶々結び

もうダメだ……


真っ白な頭で、そればかり考えていた。


驚きを隠せない先生達も、何も言えずに立ち尽くしている。


あたしが泣きそうになった時、ゆっくりと立ち上がった校長先生が口を開いた。


「詳しく聞かせて下さい……」


「そのままの意味です」


落ち着いた口調で言った上杉先生には、もう迷いなんて無かったのかもしれない。


あたしには、彼の横顔が微笑んでいるようにも見えた。


「なっ……!?」


「ふざけないで下さいっ……!」


「上杉先生!今、自分が何を言ってるのかわかってるんですかっ!?」


口々に言った先生達は、驚き混じりの怒りの形相で上杉先生を責めた。


だけど…


さっきまでとは違って、あたしは落ち着いていた。


そして、あたしも全てを背負う覚悟を決めた。