どうしよう……


さっきの上杉先生の叫び声で、周りにいる人達があたし達に注目している。


だけど…


「七星!」


楽しそうな上杉先生の顔がすごく可愛くて、あたしは彼の表情に背中を押されるように深呼吸をしてから、思い切って口を開いた。


「良平が好きーーっ!!」


そう言った瞬間、顔が一気に熱くなった。


「七星!」


上杉先生はあたしの名前を呼ぶと、両手を大きく開いた。


そんな事までやるのっ……!?


そう思う反面、笑顔が零れてしまう。


ミュールを脱ぎ捨て、上杉先生の元へと走り出した。


早く早く……


上杉先生の腕の中に勢いよく飛び込んだ瞬間、潮の香りと先生の優しい匂いがあたしの鼻をフワリとくすぐった。


「フフッ……!」


思わず笑い声を漏らした時、上杉先生の腕の力が少しだけ強くなった。