蝶々結び

今……


何が起こったの……?


頭の中がパニック状態のあたしを見ていた白田君が、満面に笑みを浮かべながら口を開いた。


「えっ、と……七星さん!」


「はぃ〜っ!?」


裏返った声で返事をすると、白田君がクスッと笑った。


「そういう事なんで、俺と付き合って下さい!」


そう言った彼は、あたしの目の前で頭を下げた。


生徒会メンバーと上杉先生に見られているあたしは、オロオロしながら口を開いた。


「あっ、あのっ……!白田君……」


白田君は顔を上げて、真剣な眼差しであたしを見つめた。


どうしよ……


よりによって、先生の目の前でこんな事になるなんて……


「もしかして……七星さん、困ってます?」


少しだけ不安そうな白田君に訊かれて、戸惑いながらもゆっくりと小さく頷いた。