「七星さんって、志望校決まってるんスか?」


「う〜ん……」


白田君に尋ねられて、曖昧な笑顔で誤魔化した。


「その顔は、もう決まってるんスね♪」


ニッと笑った彼を見ながら、控えめに口を開いた。


「まぁ、地元の大学がイイかな〜とは思ってるんだけど……」


「じゃあ、難関大学とか狙ってたりします?」


その言葉には否定も肯定もせずに、生徒会の仕事を続けた。


「えっ?スルー?」


そう言った白田君に笑顔を返して、卒業式の為の分担を決めていく。


その後は夕方まで学校に残って、何とか卒業式の資料を纏めた。


卒業式まで、後1ヶ月。


春からはあたしも受験生で、クラス替えもある。


あたしは、優子と離れたくない思いと、上杉先生の受け持ちから外れたい気持ちの間で、板挟みになっていた。