蝶々結び

隣のカップルの声や楽しそうにはしゃぐ姿が、あたしを憂鬱な気持ちの中へと落としていく。


あたしには、隣のカップルがどうしても上杉先生と先生の彼女に見えてしまう。


そんな物は、あたしの幻覚。


それなのに今にも泣き出してしまいそうで、隣にいるカップルは何も悪くないのに二人を恨めしく思った。


モヤモヤとした気持ちに押し潰されてしまいそうで、すごく気分が悪い。


あたしはiPodのイヤホンを耳に押し込み、予備校のテキストを広げた。


とにかく、気が紛れるのなら何でもいい。


優子を待ちながら解きもしないテキストを広げ、聴きたくも無い音楽を流し続けた。


優子……


早く来てっ……!


そんな事ばかり考えながら、とにかく優子を待った。


彼女を待っている間は、何時間にも思えてしまう程の長い時間だった。