蝶々結び

「何スか……?」


不思議そうに首を傾げた白田君を見て、また笑みが零れた。


「何か子犬みたいで可愛いなぁ〜、って♪」


「俺、男なんスけど……」


あたしがクスクスと笑っていると、白田君はガッカリしたようにため息をついた。


「褒め言葉だよ!」


笑顔で言うと、彼が不満そうに口を開いた。


「男に“可愛い”は、褒め言葉じゃないっスよ……」


「あれ……?ごめんね……」


だけど拗ねたような表情をした白田君が、益々子犬みたいに思えて…


あたしの笑いは、しばらく止まらなかった。


「もうイイっスよ……。これから挽回しますから!」


複雑そうな表情を見せた後で苦笑いをした白田君の意図は、よくわからなかったけど…


いつの間にかあたしの緊張は解れて、彼の前なのに自然体で食事をしていた。