蝶々結び

「会長って笑うんスね♪」


白田君は、あたしを見ながらニッと笑った。


「え?」


あたしが小首を傾げると、彼が苦笑しながら口を開いた。


「だって、会長いっつも眉間にシワ寄せて、難しい顔ばっかりしてるんスもん……。怒ってんのかと思いました!」


「えーっ!?それはないよ!そりゃ……慣れない仕事ばっかりで疲れてたし、皆とも上手くいかなくて落ち込んでたけどっ……!絶対に怒ってないからっ!!」


「……プッ……ッ!」


あたしが力説すると、白田君は吹き出しながら笑い始めた。


「ちょっ……!何で笑うの!?」


「だって会長……クッ!……泣きそうなくらい必死なんスもん!」


白田君は涙を浮かべながら言った後も、大笑いしていて…


そのせいで急に恥ずかしくなったあたしの顔が、次第に熱くなっていった。