蝶々結び

焦る気持ちを抑えて、ゆっくりと話を始めた。


「あのね……文化祭まで残り2週間しかないから……皆の力を貸して欲しいの」


そう言うと、皆が顔を上げてあたしを見た。


あたしは、小さく深呼吸をしてから話を続けた。


「あたし一人の力じゃ絶対に間に合わないし、皆の力を貸して下さい……。お願いします……」


それから、頭を深く下げた。


皆……


どう思ったのかな……


メンバーの反応を知るのが恐くて、床を見つめたまま頭を上げる事が出来なかった。


だけど…


「イイっスよ♪」


程なくして、明るい声で言ってくれた白田君のお陰で、緊張が解けた。


「本当にっ!?」


あたしは勢いよく頭を上げて、そう訊いた。


「はい♪」


白田君の言葉が嬉しくて、あたしから安堵の笑みが零れた。