「須藤。悪いけど、創太の課題を手伝ってやってくれ」


「あたしがですか……?」


「英語だけ残ってるんだよ!お前、英語得意だろ?」


上杉先生はそう言って、ニッと笑った。


先生も、気遣かってくれてるんだよね……


そう感じたあたしは、小さく笑って頷いた。


「みっちり教えますね!」


「良かったな〜、創太!」


「嫌やし!」


「じゃあ、二学期にな」


「気をつけて下さいね」


笑顔で言ってから、車に乗り込んだ上杉先生に頭を下げた。


先生はエンジンを掛けて笑顔で手を振ると、そのまま車を走らせた。


小さくなっていく上杉先生の車を見つめながら、創太達には気付かれないようにため息をついた。


そして、先生の車が見えなくなるまで、創太やみっちゃんと一緒にずっとその場に立っていた。