黙り込んでいたあたしの事を見兼ねたのか、上杉先生が眉を寄せて微笑んだ。


「恋愛って、色んなパターンがあるんだよな」


「色んなパターン……?」


「この世に、全く同じ恋愛は一つもない」


上杉先生はそう言った後、どこか複雑な笑みを浮かべた。


「この世にいる人の数だけ、恋愛の数もあるんだ」


確かに、そうかもしれない。


「例え両想いだったとしても、恋愛って楽しい事ばっかりじゃないし、泣いたり落ち込んだりもすると思う」


あたしには両想いの経験なんて無いけど、上杉先生の言葉には素直に納得出来たから、小さく頷いた。


「だけどな……どんなに傷付いたとしても、人は一人じゃ生きていけないから、また誰かを求めてしまうんだと思うんだ……」


そう言って笑った先生は、悲しそうにも見えたけど…


太陽に照らされていて、よく見えなかった。