蝶々結び

帰り道でも、あたし達はずっと話していた。


話すと言っても、上杉先生の質問にあたしが答えるだけだったんだけど…。


「あっ、そうだ!」


「今度は何ですか?」


上杉先生との他愛のない会話を楽しんでいるけど、質問攻めにされると苦笑いになってしまう。


「創太に告られた?」


「えっ……?なっ、何でそんな事っ……!」


戸惑いながらも訊き返すと、上杉先生が気まずそうに笑った。


「あ〜、創太が……」


先生はそこまで言うと、あたしの顔をチラッと見た。


「……創太が?」


「家で『ヤベ〜!俺のせいかもしれん!』って、須藤が引きこもってた事を毎日のように悩んでたから……」


「……本当ですか?」


上杉先生を疑う訳じゃないけど、創太のそんな姿は想像出来なくて、先生の言葉が信じられなかった。