蝶々結び

お盆が終わる頃、一足先に帰る父と一緒に『あたしも帰りたい』と言った。


だけど…


残念そうな祖父母を見た母がそれを却下し、あたしもそれ以上は強く言えずに仕方なく諦めた。


そして、そのうち何となく自分が意地を張っているような気がして、虚しくなって来た。


よく考えてみたら、創太はあたしに告白した後も、何事も無かったかのように普通で…


あたしが断り続けても、懲りずに畑仕事の誘いに来ていた。


上杉先生だって、あたしの気持ちは知らない。


そう考えてみると、一人でウジウジ悩んでいる自分が情けなくなって来る。


いくらインドア派って言っても、こんな田舎の古風な家に何日もこもり続けるのは辛い。


課題はとっくに終わったし、夏休み明けにある模試の勉強もみっちり頑張った。


あたしだって、ちょっとくらい息抜きしたい……