蝶々結び

「えっ?俺の授業、わかり難いか?」


「授業はわかり易いです!でも……あたし、数学が苦手なんですよね……」


「俺、かなり損したな……」


「どうしてですか?」


「須藤は成績上位なのに、数学が苦手とか……。何か俺だけ損した気分……」


「努力はしてますよ?でも、数学って難しくて……」


あたしは、苦笑しながら言った。


「お前が努力してる事は、ちゃんと知ってるよ!課題見てやるから持って来い」


「イイんですか?」


「あぁ、数学だけサボられたら嫌だからな!」


上杉先生は、意地悪な笑みであたしを見た。


「サボりませんよ!」


「冗談だって!待っててやるから持って来いよ!」


「はい」


あたしは祖父母の家から課題を取って来て、上杉先生と一緒にみっちゃんの家に行った。