蝶々結び

あたしが先生を嫌ってる……?


心の中でそう呟いた時、胸の奥がチクッと痛んだ。


まただ……


「何となくだけど……須藤には嫌われてるかなって思ったんだ。まぁ担任としては、ちょっと寂しいけどな……」


上杉先生は、寂しそうな笑みを浮かべた。


「ちっ、違います!そりゃ、最初はちょっと苦手なタイプだなって思いましたけどっ!!」


気が付くと、あたしは大声で弁解を始めていた。


「でも、先生は優しいし、いっぱい相談に乗ってくれたし、嫌いなんて事はありませんっ!!あたしはっ……!」


「須藤!わかったから!ごめん、俺が悪かった!」


あたしの言葉を遮った上杉先生は、いつの間にか立ち上がっていたあたしを困惑したように見ていた。


「あっ、すみません……」


あまりにも必死になり過ぎていた事に気付いて、恥ずかしくなった。