蝶々結び

あたしと創太が田舎に来てから、1週間以上が過ぎた頃――。


「お前、体力ないなぁ!これくらいでヘバんなっ!!」


「煩い……。この暑い時に無茶言わないでよっ……!大体、あたしはインドア派なの……」


あたし達のこんな会話は、日常茶飯事になっていた。


あたし達は、毎日みっちゃんとあたしの祖父母の畑を行き来して、仕事を手伝う。


最初は渋々手伝っていたあたしも、創太に無理矢理連れ出され、今では日課になっていた。


ただ、一日中手伝っている彼とは違って、あたしは午後からだけだったけど…。


「お前、ちゃんと練習行ってるんか!?」


うちの畑の土を耕していた創太が、あたしを見た。


お祭りの話になると、つい少しだけ不機嫌になってしまう。


「行ってるってば!」


強い口調で答えて、創太に背中を向けた。