もうそんなこと、どうでもいい。 どうせ死ぬんだから。 「俺、どうしていいかわかんなかったんだ。置いてかれる気がして…いつも。頭がいい高瀬だから、馬鹿な俺なんて放って、先に…先に行っちまうんだって…。」 あいつは写真たてをぎゅうっと掴んだまま、下を向いていた。 「…京?」 俺は思わずあいつを呼んだ。 あいつは、ばっと後ろを振り返った。 目が合った気がした。