危険な同居生活

「ミカ、トイレ行ってくるねーダーリン」


俺が封鎖している為、一度通路に出てから、ミカさんが出るのを待った。



「ミサ!ミカが居ないからって、ダーリンを誘惑しちゃダメだからね!」


腰に手をあて、もう片方の空いている手でミサさんを差しながら言うミカさん。



「もういいから、早く行って来て下さい!」



なんか「誘惑」って聞いただけで、俺の方が恥ずかしくなった。



「ダーリン、覗いちゃイヤよー」


クスっと笑って、俺の背中をバシっと叩いてミカさんは、ようやく消えてくれた。


ほんの少しだけど、静かな平和を思い出せるような気がする。


席に座り直すと、ミサさんは、顎に人差し指をあてて頭を右に左にと、なんやら考えてる様子。



俺は、なんか気になって考え事ですか?と尋ねてみた。


「田中さん…誘惑って何ですか?」



予想外の返答に思わず、ゴホゴホとむせてしまった。


「いいんです。ミサさん、世の中には知らないままにしておいた方が良い場合もあるんですよ」


苦しい説明だと思ったけど、小さな頃に両親に教えてもらった事をそのまま教えた。


ミサさんには、いつまでも純粋でいてほしいと思ったから。