「あ!!びっくりしたぁ」
直は、俺の視線に気づき、驚いた顔をした。
「エプロン似合ってる」
俺は、包丁でにんじんを切っている直に近づいた。
そして、後ろからぎゅっと抱きしめた。
「先生、危ないって!」
包丁を置いて、直は濡れた手で俺の頬に触れた。
直は、子供を叱るような口調で俺を叱った。
「だめでしょ~!ソファで座って待ってなさい」
「は~い。直の顔見ながら待ってる」
直の手料理は初めてじゃない。
でも、結婚して、俺の奥さんになった直の手料理は初めて。
なんだか不思議な気持ちだ。
まだ実感が沸かない。
直が奥さん?
教室で、中田や里田といつもはしゃいでた矢沢直が……俺の奥さん?

